結婚後に、夫の扶養に入るメリットって大きいですよね
夫の扶養に入っていることで、夫の所得税を軽減できたり、本来自分で払わなければいけない健康保険料が免除されたりします。
夫が会社員や公務員の場合で、扶養内で働いている兼業主婦や、専業主婦の人は、自分で年金保険料を納める必要はありません。
年金保険料を自分で納めていなくても、将来、年金を受給できます。
しかし、そのような場合に、自分がどれだけ年金をもらえるのか、知っている方は少ないのではないでしょうか。
自分で年金保険料を支払っていない専業主婦の人は、「将来受給できる年金額はいくらになるの?」と気になりますよね。
そこで、ここでは、専業主婦が将来、受給できる年金額について、説明したいと思います
公的年金は2種類ある?専業主婦がもらえるのは老齢基礎年金?
将来、私たちがもらえる年金、つまり、公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。
国民年金とは、原則20歳以上60歳未満の国民には、加入が義務付けられている国の公的制度です。
正式には、老齢基礎年金と呼ばれており、厚生年金などその他の年金の土台のような存在となっています。
また、国が定めた年金保険料を支払うことで、年を取ったときだけでなく障害を負ったとき、また、配偶者が死亡した際に、年金を受け取ることができる仕組みになっています。
厚生年金とは、第2号被保険者(会社員や公務員など)が加入しているものです。
厚生年金(老齢厚生年金)は、国民年金に加えて厚生年金の保険料も支払っているので、将来、国民年金にプラスして厚生年金が支払われることになります。
夫の扶養に入り、働いていない人、または扶養内で働いている人も、20歳以上60歳未満であれば、国民年金への加入が義務付けられています。
ですので、専業主婦であっても、国民年金のみ加入している状況になります。
なので、将来、専業主婦の人が貰える年金は、この国民年金(老齢基礎年金)になります。
この老齢基礎年金は、厚生年金を納めている、いないに関係なく、すべての国民が原則受給対象です。
夫が会社員などで厚生年金に加入している場合は、老齢基礎年金とプラスして老齢厚生年金も受け取れますが、第3号被保険者の専業主婦は受給対象外となります。
専業主婦が受け取れる老齢基礎年金の受給額はいくら?
それでは、専業主婦の人が受け取れる、老齢基礎年金の受給額とはいくらになるのでしょうか。
老齢基礎年金を受給するための条件は?
まず、将来、老齢基礎年金(国民年金)をもらうためには、一定の条件を満たしていなければなりません。
それでは、その受給のための条件とはなんでしょうか
老齢基礎年金をもらうには、「資格期間」が10年必要となります。
この資格期間とは、以下の場合となります。
- 国民年金の保険料を納めた期間や、免除された期間
- 会社員や公務員として厚生年金保険に加入していた期間
- 年金制度に加入していなかったが、資格期間に加えることができる期間
老齢基礎年金は、原則65歳になったとき、保険料を納付した期間と保険料が免除されていた期間の合計が10年以上である場合に、支給が始まります。
国民年金の保険料を10年間以上納めておらず、国民年金の受給対象から外れてしまうことになる人もいるかもしれません。
しかし、そのような場合でも、後に保険料を納めることで(後納制度)、国民年金を受給できる可能性もあります。
年金は何歳から受給できる?繰り上げ・繰り下げとは?
老齢基礎年金の受給は、原則65歳からとなります。
現在、老齢基礎年金・老齢厚生年金は65歳から受給する権利が発生しますが、年金の繰り上げ・繰り下げ制度というものが存在します。
この制度は、簡単にいうと、老齢基礎年金や老齢厚生年金の支給開始年齢を早めたり、逆に遅らせたりすることができる制度です。
ですので、65歳になる前に年金を受給する人、70歳になってから年金を受給する人など、人によって受給開始の年齢は異なります。
繰り上げ・繰り下げ制度を利用し、年金を受給する場合には、メリットとデメリットが存在します。
例えば、繰り上げで年金を受給した場合は、早くもらえる分、元々貰える予定だった年金受給額よりも減額された金額が支給されます。
繰り下げで年金を受給した場合は、逆に、貰える受給額が増えます。
これだけを見てみると、繰り下げ受給をしたほうが特に見えるかもしれませんね。
しかし、その分受給できる期間は短くなります
全体的な総受給額を見てみると、一概にどちらが得とは言えませんね。
では、もう少し詳しく見ていきましょう
老齢基礎年金の繰り上げ受給とは?
60歳から65歳になるまでの間に申請可能です。
しかし、早く貰える分、繰り上げ期間に応じて、1ヶ月につき0.5%の減額があります。
また、繰り下げ受給することで、65歳までに貰える、事後重症による障害年金や寡婦年金が請求できなくなります。
老齢基礎年金の繰り下げ受給とは?
老齢基礎年金は、66歳~70歳まで、繰り下げて受給することができます。
繰り下げ期間に応じて、1ヶ月につき0.7%増額されます。
ただし、70歳以降はそれ以上増額されません。
60歳以降も働いており、収入に余裕がある場合は、繰り下げ受給するのもありかもしれません。
ちなみに、夫と妻が年金を受け取るタイミングを敢えて別々にすることも可能です。
例えば、夫は65歳から受給し、妻だけ繰り下げ請求して70歳から受給などですね。
繰り下げ・繰り上げ制度は、その人のライフプランによっては、有効に年金を受給することができる便利な制度です。
専業主婦が受給できる年金額はいくらになる?
それでは、専業主婦が受給できる年金額はいくらになるのでしょうか。
2020年4月からの老齢基礎年金の受給額は、年額78万1,700円です。
令和2年4月分(6月15日支払分)からの国民年金(老齢基礎年金(満額))は、月額: 65,141円となります。
(令和元年度の老齢基礎年金は満額で月額65,008円でした。)
国民年金は、国民全員が加入することが決まっていますので、保険料をきちんと納めていれば原則65歳になると受給できるようになります。
ただし、保険料は納めた期間によって、将来受け取ることが出来る年金額が変わってきます。
保険料を納めた期間が長ければ長いほど、年金受給額が多くなるため、将来貰える保険料の受給額は人によって異なります。
例えば、夫が会社員など第2号被保険者である場合・妻が扶養内で第3号被保険者の場合に受給できる年金は以下になります。
将来貰える年金の額は、納付した期間に応じて変わります。
40年間保険料を納付された方は、満額を受けとれますが、納付期間が減っていくごとに、給付額も減額されます。
10年間の納付では、受けとる年金額はおおよそ、その4分の1になります。
専業主婦の年金受給額を理解しておき、将来に備えよう!
このように、専業主婦の場合でも、将来、年金をしっかりと受け取ることが可能となります。
しかし、世帯で考えると、夫の働き方や年金の加入期間などにより、受給額は異なってきます。
そのため、自分自身の世帯において、一体どのくらいの受給になるのかを知っておくことは、将来のためにも役に立ちます
また、専業主婦の場合でも、国民年金基金、国民年金付加年金、国民年金任意加入、個人年金などといった年金受給額を増やす方法があります。
今回も、最後までお付き合いくださってありがとうございます